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考察 "chino"

(文中、スペイン語の単語を一貫して男性名詞に
していますが、特にジェンダー的な意図はありません。)

カラル世界遺産 012



ラテンアメリカにいると、日本人はよく"chino(中国人)"と言われる。

街を歩いていると見知らぬ人から"chino"。
親しくなった人からもすれ違いざまに"chino"。
行きつけの軽食屋さんのおばちゃんからも"chino"。
幾度となく言われる。
日本人どうしでも「よく"chino"って呼ばれるよね」と話題になるし、
隊員報告書や旅日記など読んでも"chino"に関する話題はたくさん。
縮小辞"chinito"も含め本当によく聞かれる。


今回はこの"chino"について考えてみたい。


まずは、言われる側の論理。

言われる方は、何かしらの不快感を得る人が多い。
言われる側が「不快」と感じたものを「悪口」と
定義すると、悪口を言われ続けるのだからいいものではない。

ではなぜ不快感を得るのか。

日本人であるものが"chino"と呼ばれることは違和感がある。
日本人が、中国人と呼ばれるのだから。
椅子がなぜか机と呼ばれるのと同じくらいしっくりこない。
言われるものの多くは「一緒にしないでくれ」と思う。

中には名前の不一致以上に不快に思う人もいる。
その多くは、意識的にか無意識的にか
日本を中国よりも優位な概念として捉えている人たちだ。
「一緒にしないでくれ」と優越感を持って思っている人もいる。

「日本と中国」の違いや優劣の意識以外のところで不快感を得る人もいる。
「ちゃんと自分には名前があるのに"chino"と一括りに呼ばれる」
「"chino"という言葉はアジア人差別を凝縮したことば」
などというものだそうだ。
前者は個を名前と重ねてほしいというアイデンティティからくるもの。
後者は個人的に何かアジア人差別を"chino"以外のところで
経験した人が、上述の理由と相俟って重ねているというものだ。



続いて言う側の論理。

言う側は悪気があって言っているわけではない。

まず、日本と中国等の違いは、言われる側程大きな興味の対象ではない。
多くの彼らの日常生活が、日本と中国の
違いを知らないことに左右されることはほぼないと言っていいと思う。
違いなど、彼らの日常生活レベルからしたらどうでもいいこと。
メキシコとペルーの違いが日本に暮らす者にとって
大した興味にならないことと同じことか。
国際的なことを大学で学んだ人や出稼ぎで太平洋を渡った人、
世界に関わる仕事をしている人は、ラテンアメリカ平均に比べたら、
"chino"と十把一絡げに呼ぶことは、私の経験上少ない印象だ。

そもそも中国と日本の地理関係を把握していない人が多い。
日系人が多いペルーではさすがにほとんど聞いたこと無いが、
5年前のメキシコでは
「日本は中国のどこらへんにあるんだ?」
といった質問を何度か聞いたことがある。
私の印象では、"chino"は東アジア人のほぼ同意語のように感じる。

それから、ラテンアメリカでは一般的に親しみをこめて
身体的な特徴を表した愛称で呼ぶことが多々ある。
細身の人に対してflaco(肉付きの悪い・やせ)
肉付きのいい人に対してgordo・oso(太った・熊)
背の低い人に対してchato(普通より低い)
愛くるしい不細工な人(?)に対してfeo(醜い)
などなどなど。
同じように黄色人種っぽい人や、目が細い人に
対してはペルー人に対してでも"chino"と呼ぶ。
当然のように、東アジア人の特徴をもった日本人も同じように
呼ばれることになるのはある種、文化であるように感じる。


(ちなみに私の印象だと、アジア人を差別する
雰囲気は欧米で聞くほどは多くないと感じる。)




以上、"chino"と言う側と言われる側について考えてみた。



これだけ双方に意識の差があれば、なかなか噛み合わない。
このままいけば、ラテンアメリカの人が何気なく呼んでみたら、
日本人がプンプンしてるって図が永遠に繰り返されるわけだ。

噛み合わせるためには作業が必要。

個人的には、言われる側の論理を言う側の世界に広める作業より
言われる側が言う側の論理を理解して、
言う側の文化を受け入れる作業の方が手っ取り早い作業だと思いますが…。


土曜の昼下がりに思った事を綴ってみました。

皆様のご意見伺いたいので日曜か休日の昼下がりにコメントでもどうぞ↓
ページ左上自己紹介欄のメールか拍手経由のメッセージでも構いません。
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面白いテーマがきましたね!

おとつい子供達が「♪チノ、チノ、チノ~、エスタドウニドス、ハポン・・・♪」という歌遊びをやってたよ。
チノのところはまさにErnestoさんの写真のような仕草を3回繰り返して。。。

私はチナと呼ばれるとなんだかいい気持ちはしないけど、チニータだと愛情がこもっている様な気がしてOKなタイプです。

本当にErnestoさんの言う通り悪気はないんだろうなーって気はする。
私の診療所では患者さんは「ホーベンシート」「ゴルディータ」「フラッキータ」などと呼ばれてる。
日本で患者さんを「太っちょさん」なんて呼ぼうものなら、もう絶対クビ~(笑)

私たちアジア人だけじゃなく、南米の人たち同士でも愛称使いまくってるから、一番大きな特徴である「チノ」の部分でよばれるんだろうね。

しかしながら、「チョウラファン!」って呼ばれた時だけは指導した。

84さん

コメントありがと―ございますe-320

「太っちょさん」も「痩せさん」も「そこの若いの」も
みんな仕事では発しちゃだめですよねー。
やっぱり文化の違い…。

チョウラファン??チャーハンのことですよねe-465
やっぱりエクアドルでは「ラ」が入るんですよね。
うる覚えだったんですが、やっぱりそうでした。

ひでー名前つけますねw

ちなみにペルーではchaufaです。

No title

ベネでは、chinoは差別の意味合いが強く、
chino差別(黄色肌差別)が強い地域の隊員は身の危険により任地変更になっています。
軍の検問でも嫌がらせにあったりしているようです(全裸にされたり)。
昔、奴隷労働者として中国人がやってきた経緯もあるようで、その名残だったり、
それなのに商売上手で成功している中国人への嫉妬のようなものもあるようです。

またベネでは日本は中国の一つの大きな都市と思われています。
まぁこれはernestoさんがおっしゃるように日本と中国を区別する必要がないんでしょうね。

べねよりさん

コメントありがとうございます。

そうなんですか!!
所変われば意味も変わるんですね…。
というか、社会背景が変わるから
意味合いが変わってくると言った方が正しいかな?

そういえば、メキシコシティの一部で
韓国人差別が存在するのを見たことがあります。
それも経済的な嫉妬心みたいなところからだったと思います。

Re: 考察

初めてコメントさせていただきます。リマ在住azavalaです。
理論的にChinoを解説されていて、本当にその通りだと
思います。ペルー人に悪気がないのは自分の子どもにまで
Chinitoと言っていた友人を見てから、理解しました。
でも、私は未だに慣れないので、言われた時にチャンスがあれば、
私は日本人だから、chinaって呼ばないでと言いますが、ペルー生まれの
子ども達の学校でのあだなは二人ともChinoです。二人とも嫌じゃないと言っていて、先生も気を使って、そのあだ名でいいのか確認してくれたのですが、本人たちは愛情を込めて呼ばれているから、良いと言っているので、それ以上は私も何も言えませんでした。
もしよろしかったら、リンクさせていただいてよろしいですか?

azavalaさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。
また、リンクも宜しくお願いします。
リマ在住なんですねー。

言う方と言われる方の温度差が非常に大きいですよね。
ふと「悪気が無いのか」と思った瞬間、同時に
「細かいことに神経すり減らしてたんだな」と馬鹿らしくなりますよね。
それにしても、その先生の気の使いようは、こちらでは珍しいですね~。
教育者は視点が広くあるべきだと思いますので、双方の視点で
物事を見れるその先生は少なくともその要素を持っていますよね。

ハポネスって言葉を浸透させてくれ!

気合いと根性と情熱と「何か」で革命を起こしてください。

チノ→ハポネス→お前すごい奴→アミーゴ→家族

こんな感じでとけ込めば、きっと日本人ってすごい奴がいるんだなぁって思ってくれる人が10人に1人は現れる気がします。

僕の場合は、現れました。
その時の「何か」は、おばちゃんの心をわしづかみする熱いハートで交わす話術でした。

あれはんどろさん

ユニークなコメントをありがとうございます。

キャラクターを通してハポネスを浸透させていく…。
道はかなり厳しいかもしれませんが、
千里の道もなんとやら、
2年後には私の住む街に広がるよう頑張ります。
プロフィール

Ernesto

Author:Ernesto
――――――――――――

「世界の子供たちに笑顔を」

これが私のライフワーク。

メール:
purosunao#yahoo.co.jp
#を@に変えてください。

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